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日本語での文字高速読みテスト
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関白宣言
お前を嫁に もらう前に
言っておきたい 事がある
かなりきびしい 話もするが
俺の本音を 聴いておけ
俺より先に 寝てはいけない
俺より後に 起きてもいけない
めしは上手く作れ いつもきれいでいろ
出来る範囲で 構わないから
忘れてくれるな 仕事も出来ない男に
家庭を守れる はずなど ないってことを
お前には お前にしか できない事もあるから
それ以外は 口出しせず
黙って俺に ついてこい
お前の親と 俺の親と どちらも
同じだ大切にしろ
姑小姑 かしこくこなせ たやすいはずだ
愛すればいい
人の陰口 言うな聞くな それからつまらぬ
シットはするな
俺は浮気はしない たぶんしないと思う
しないんじゃないかな
ま、ちょっと 覚悟はしておけ
幸福は二人で 育てるもので
どちらかが 苦労して
つくろうものでは ないはず
お前は俺の処へ 家を捨てて 来るのだから
帰る場所は 無いと思え
これから俺が お前の家
子供が育って 年をとったら
俺より先に 死んではいけない
例えばわずか 一日でもいい
俺より早く 逝ってはいけない
何もいらない 俺の手を握り
涙のしずく ふたつ以上こぼせ
お前のお陰で いい人生だったと
俺が言うから 必ず言うから
忘れてくれるな 俺の愛する女は
愛する女は 生涯お前 ひとり
忘れてくれるな 俺の愛する女は
愛する女は 生涯お前 ただ一人
案山子
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
城跡から 見下せば 蒼く細い河
橋のたもとに造り酒屋のレンガ煙突
この町を綿菓子に染め抜いた雪が
消えればお前がここを出てから
初めての春
手紙が無理なら 電話でもいい
"金頼む"の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
山の麓 煙吐いて列車が走る
凩が雑木林を転げ落ちて来る
銀色の毛布つけた田圃にぽつり
置き去られて雪をかぶった
案山子がひとり
お前も都会の雪景色の中で
丁度 あの案山子の様に
寂しい思いしてはいないか
体をこわしてはいないか
手紙が無理なら 電話でもいい
"金頼む"の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
防人の詩
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に限りがあるのならば
海は死にますか 山は死にますか
風はどうですか 空もそうですか
おしえてください
私は時折苦しみについて考えます
誰もが等しく抱いた悲しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく悲しみと
病いの苦しみと 死にゆく悲しみと
現在の自分と
答えてください
この世のありとあらゆるものの
すべての生命に約束があるのなら
春は死にますか 秋は死にますか
夏が去る様に 冬が来る様に
みんな逝くのですか
わずかな生命のきらめきを信じていいですか
言葉で見えない望みといったものを
去る人があれば 来る人もあって
欠けてゆく月も やがて満ちて来る
なりわいの中で
おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての生命に限りがあるのならば
海は死にますか 山は死にますか
春は死にますか 秋は死にますか
愛は死にますか 心は死にますか
私の大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか
海は死にますか 山は死にますか
春は死にますか 秋は死にますか
愛は死にますか 心は死にますか
私の大切な故郷もみんな
逝ってしまいますか
秋桜
淡紅の秋桜が秋の日の
何気ない陽溜まりに揺れている
此頃涙脆くなった母が
庭先でひとつ咳をする
縁側でアルバムを開いては
私の幼い日の思い出を
何度も同じ話くりかえす
独言みたいに 小さな声で
こんな小春日和の穏やかな日は
あなたの優しさが 浸みて来る
明日嫁ぐ私に苦労はしても
笑い話に時が変えるよ
心配いらないと笑った
あれこれと思い出をたどったら
いつの日もひとりではなかったと
今更乍ら我侭な私に
唇かんでいます
明日への荷造りに手を借りて
しばらくは楽し気にいたけれど
突然涙こぼし元気でと
何度も何度もくりかえす母
ありがとうの言葉をかみしめながら
生きてみます私なりに
こんな小春日和の穏やかな日は
もう少し あなたの子供で
いさせてください